愛は「たんぽぽユニット」にある

拝啓

激暑の折、ご家族様御一同様におかれましては、その後お健やかにお過ごしのことと拝察致します。

 

いつも大変お世話になっております。新人職員の天然パーマHと申します。

 

月に二度のレクリエーション後半では、「手打ち冷やしうどんを作る」第二弾!をお届け致します。

第二弾というのは、私がこのたんぽぽユニットに来る前に、第一弾うどんレクリエーションが行われたようですが、話しを聞く限り、その作業工程に若干の詰めの甘さがあったようで、だいぶお時間頂戴してしまったという(気合を入れて作りこんでしまったが故に、実食するまでにお時間が掛かってしまった)ほろ苦い教訓を生かし、「次は夕食の定刻のタイミングに合わせて、今一度利用者様と一緒に手打ちうどんを作りたい」と、兼ねてからタイムスケジュールを先輩職員が精査しながら、ようやく緊張の当日を迎える運びと相成りました。

 

スタッフ一同「二度と同じミスはしないように」という気持ちでレクリエーションスタート致します。スタートは16時ジャストからとなりました。

前回の教訓を生かし、生地だけは既に先輩職員Sさんがこれまた自宅でしっかりと下ごしらえをしてきました。この時間にギャラはもちろん発生しておりません。厚意のみで邁進しております。また手打ちに必要な調理道具も、お祭り女(レディー)職員Hさんのご厚意で私物をお借りしております。

板に打ち粉をして、生地を二つに分け丸め手のひらで板に押し付ける作業を、利用者様と一緒に行います。いつも上品な風格の漂うY様にカメラ目線頂戴しております。恐縮です。

御年99歳!丁寧にしっかりと生地を伸ばして頂いております。

 

困ったときはいつも相談に乗って頂いているM様。恥ずかしながら手打ちうどんを作ることが初めての私は、「打ち粉」をどれを使っていいのかわからなかったのですが、M様にわからないことを聞けば、すぐに教えて下さいます。これはどうでもいい話しですが、失敗続きの私がM様に、「もう自分失敗ばっかりして、自信無くします」って、泣きを入れたときも「愛嬌あるから大丈夫だよ」と、癒しの回答を下さいまして、本当に年配の方はいつだって敬うべきだと、そう痛感した次第で御座います。

S様も、周りの利用者様と楽し気にお話しをしながらも、しっかりと、生地を伸ばしております。仕事が丁寧。

 

 

Y様は実直に伸ばした生地に打ち粉をし、ちょうど裏返しにするシーンとなります。

生きた生地のもちもち感と、その触感がまた気持ちいいですね。私も挑戦しましたが、なかなかどうして、繊細な作業が求められます。Y様もとても綺麗に生地を伸ばしておりました。

とても楽しそうな一枚です。見るとだいぶ太麺です。どんな話しをして盛り上がっているのでしょうか。私が切っていたサイズの3倍くらいあります。答えなんて十人十色でいいじゃない。マイペースのKさんには、いつもささくれた私の気持ちの角をそっと取ってくれるように接してくれて、感謝しております。

 

気付くと、夜から夜勤のたんぽぽユニットの職員Hさんが、これまた業務時間外ですが、レクリエーションの応援に駆けつけて下さいました!。協力ユニットさくらリーダーのIさんも、優しい眼差しでその様子を見に来て下さいました。この温かい空気感伝わりますでしょうか。みちみちスタッフ一同採算度外視で、家族同様の利用者様との時間を共有したいという気持ちが強いんです。そんな一枚です。

 

すると、管理栄養士のSさんが、これまた応援に駆けつけて下さいました。どうやら初回のうどんレクリエーションの苦い教訓があったようで、心配して駆けつけて下さったようです。みちみち大宮では業種の枠を超えて、多職種連携で、自分の家族のように利用者様との時間を共有しております。

 

プロフェッショナルが来れば、もう安心です。

湯で時間もしっかりと打ち合わせをし、湯で担当を自ら名乗り出て下さいました。実に心強い。

 

男性職員が介護職としては、業界内での男女比率としてかなり多いこちらみちみち大宮ですが、やはり現場の主導権を握るのは女性。

女性ならではのきめ細かなケアは必要不可欠です。

 

管理栄養士Sさんの的確な指示により、ムース食を作って

 

主食を手打ち冷やしうどんに切り替えた夕食が、ぴったり定刻時間に間に合いまして

 

私もおすそ分けして頂きましたが、なんとも味わい深い、愛のこもったそれはそれは美味しい手打ち冷やしうどんとなりまして

Yさんもこの後、「美味しい」と嚙みしめるようなお言葉頂戴致しました。

 

「愛は食卓にある」なんて、どこかのCMのキャッチフレーズにありましたが、

この日、「愛はいまここにあるんだ」って

 

私は思うんです。「作られたドラマ制作よりも、ここにはもっとリアリティーのある、生のドラマがあるんだ」と。

それぞれの「思い」が交錯する中で、毅然とふるまい、荒ぶることなく、きっと自分自身といつでも対峙している、そんな人生の先輩方でもある、入居者様と歩むその一歩が尊いです。とにかく介護職デビュー半年目の私には尊いんです。

そんな気持ちをいつまでも忘れないように、日々邁進行く所存です。

 

本格的な夏を迎えました。ご家族様のご健康を心よりお祈り申し上げます。

写真/本文 天然パーマの職員H

※写真撮影の為、マスクを外しております。